2014/ 2/28
☆ 特別講習を終えて... ☆
本年も、茶懐石の板前さんをお迎えしての
特別講習を開催いたしました。
皆様がとても楽しみにしてくださるので
年々、わたくしも道具組みや板前さんとの
打ち合わせに力が入ります。
いつも特別講習では、ハレの日の器をご用意します。
お稽古では、皆様がお片づけをするのに緊張なさるような器を
使うことは避けておりますが
特別講習ではそんな器を蔵出し(?)致します。
実はそれが宗明の楽しみでもあるのです。(^-^*)
今回は、特に、新しく設えた折敷と四つ椀を
皆様にお使い頂けたことが喜びでした。
これは、昨年の十周年パーティーにて頂きました
皆様のお心遣いを記念の形とさせていただいたものです。
なんとも暢気な漆屋さんで、
お願いしてからちょうど一年となろうかというのに
待てど暮らせど出来上がってこないのです。
さすがに業を煮やし、
「特別講習に間に合わないのでしたら、もうイリマセン!」
と申しました。
すると、会期のわずか三日前ではありましたが
大きなダンボールでどどーんと届いたのです。
なーんだ、やればできるじゃないですか ・ (笑) (^-^)/
今年は、会期中、数十年に一度という大雪に見舞われました。
板前さんも生徒さんも足止めとなり、やむなく中止となった
日もあるほどでした。
しかし、そのような冷え冷えとした澄んだ空気の中で頂く
蓋向の熱々のお料理、、柚子の香高い煮物椀、
湯気の立ち上る炊き合わせ などなど
さぞや堪能していただけたのでは、と思います。
しかし、暦の上では既に春、という
まさに季節の端境期。
後座では、春の息吹を感じていただけますよう
心浮き立つ室礼と致しました。
根竹に漆がけした水差し、
春の野山の景色を描いたお棗、
そして春風にそよぐ釣り釜にておもてなしです。
春の野でピクニックを楽しんでいただくような思いで
一服召し上がっていただきたく、
「焼き飯釜」を掛けました。
茶室を作りました際に、せっかくヒル釘を打って
いただいたのですから、是非とも釣り釜を!と思い立ちました。
置き炉しか置けない環境に、いつも悲しくなってしまうわたくしですが
釣り釜を設えると、なぜかとてもしっくり馴染む気がいたします。
茶飯釜でご飯もおいしく炊けることを確かめてありますので
いつの日か、茶飯釜のお茶事も催したいものです。
さてさて、今回は表舞台のお話だけでなく・・・
水屋の様子も少々お伝えいたしますね。
亭主としての役割をしながらも、
板前さんの現場の技術、味付け、盛り付けのワザを
しっかり見聞きし、皆様にお伝えすべく
宗明はかなりガンバリました!
実は、わたくしと板前さんはどうやら同い年らしく、
十年以上前からの知り合いでもあることから
けっこー 遠慮がありません。
板前さん曰く 「まるで背後霊のように」 後ろから
ささっとスプーンを伸ばしてはお味見をし
調味料の加減をチェックします。
「え?いま何入れました? 何ccぐらいでした?」
「そんなのわかんないですよ、感覚、感覚〜!!」
「そーんなことおっしゃらず!
はい、メモしますから最初から言ってください」
「え〜〜〜? 調子狂うなぁ。。。」
(もちろん、全ての会話は極めてヒソヒソの話し声です)
しかし、その甲斐あって、
秘伝の胡麻豆腐の作り方を含め、今回のおいしいお料理を全て
写真入りのレシピに致しました!!
次回のお稽古で、皆様にお配り致しますね (^-^)/
今回も、午前の部と午後の部の間がとても忙しく
茶室を改め、お湯を沸かし、などなど支度に追われ
とてもお昼ご飯をとる時間はありませんでした。
ですので、暫時締め切りの間に、本当にお相伴しなくては
とてもお腹がもたないのです。
勝手にお釜を開けて「ゴハンいただきまーす!」 (ヒソヒソ)
「このお魚のしっぽ、頂いていいですか?」 (ヒソヒソ)
「いいけど・・・
あ! その香の物はまだお出ししてないんですから
ポリポリ音がしちゃマズイですよ」 (ヒソヒソ)
「ハイハイ、気をつけます」 (ヒソヒソ)
そうこうするうちには、会話と共にお食事を楽しんで頂いていた
お席が静まり、
再度お運びをする時間となります。
つつがなくお席が進行しますように
常に常に気を配りつつも
時間に追われることの心地よい刺激を楽しんだ十日間でした。
お仕事のご都合で、この板前さんにお懐石をお願いできるのは
最後の会でした。
本当に残念ですが、またいつの日か
皆様とご一緒においしいお料理を楽しませて頂ける機会を
楽しみにしております。
四年間、本当にありがとうございました。