宗明のつれづれ
これまでの「つれづれ」...



2011/5/11

☆ 震災 ・ その後・・・ ☆


あの恐ろしい大災害の日から、早くも二ヶ月が経ちました。
深く心を痛め、余震や電力の供給の不安におののき過ごして参りましたが
ようやく心の平安を取り戻しつつあるこの頃です。

震災翌日の「ひとこと」で、「器が割れた〜 割れた〜」 などと大騒ぎ致しましたが・・・
その後、もっともっと大切な多くの 「いのち」 が失われたことを知り
お恥ずかしく思いました。


震災により、わたくし達は、多くのこと考える機会を与えられたように思います。

あたりまえだと思っていたことが、決してそうではないこと。
傲慢にも、ついつい自力で勝手に生きているように思いがちなわたくし達ですが、
間違いなく、多くの偶然性に支えられ、
大いなる力によって「生かされて」いるのだということ。

そして、その「生」を彩る、最も大切なものは
人と人との「こころの和」であること・・・。

そのことを、わたくしは生徒さん達と再会した日に強く実感いたしました。


計画停電の影響もあり、宗明庵はしばらくお稽古をお休みさせて頂きました。

桜の季節を迎えていますのに
教室を、雛祭りの趣向のままにしておくのもはばかられ、
室礼を「夜桜」をテーマに整えてみました。

お花見も自粛ムードとのことでしたが、確かに、明るく華やかな桜は
今のわたくし達のこころにそぐわない気が致しまして、
深い藍色のテーブルクロスに透かしの桜のランナー、
月夜に浮かぶ静かな風情の桜のタペストリー、などなど・・・。

その中で、桜の香りののシフォンケーキを焼いてみたり、
茶道や懐石、茶事にまつわる書籍を読み返したり、
あまりにも忙しい日常の中で、ちょっぴり憧れていた「何の予定も無い毎日」が
図らずも与えられたわけなのですが・・・
不思議なことに、何をしていてもどことなく空虚なのです。

様々な愉しみごとは、生徒さんが一緒に楽しんで下さればこそ、なのですね。

逆に教室で、皆様と毎日楽しくお食事をしたり、おしゃべりをしたりした日々を思い、
すっかり淋しくなってしまったわたくしです。。。 (>_<)


それだけに、停電もなくなり、教室再開後に、皆様の笑顔にお会いできた時には
本当に嬉しい気持ちでした。 \(^-^)/

そして、皆様から頂きましたお声に、こころが温か〜く満たされました。

皆様もわたくしと同じ思いでいて下さり、
教室の再開を切望して下さっていたのですね!

まるで心の宝物を得たように嬉しく、心からありがたく思いました。

本当にありがとうございます。
おかげさまで、宗明はすっかり元気になりました!!


そうそう、割れてしまった器たち・・・

皆様「先生、もう恐くてあまり器を買えないのではないですか?」
と、ご心配下さいます。

が!!
「いえいえ、器は『割れるもの』だとよ〜くわかりましたので
これからは多めに買う事にしました ^  ^」

「そ、そっちですか〜 ^ ^; 」
「先生らしいですねぇ・・・」


ハイ! 
日本の経済のためにも(?)
宗明、今後も「皿屋敷」の一層の充実に努めます!!  (^−^)/


(えっと・・・   だ、だれか止めて〜〜〜)  ^ ^;  ^ ^;  ^ ^;



☆ 義捐金バザー ☆


四月中、食器戸棚の地震対策をしつつ、
数が揃わなくなってしまった器や、サイズが合わない器をたくさん発見しました。

でもきっと、ご家庭用には楽しんでお使いいただけるのではと思い
バザーを開催することに致しました。

そして今回は、皆さまにお預かり頂いたお代をそのまま被災地への義捐金と
させて頂きました!!


わたくしにとって、バザーの楽しみは「その後の皆様のお声」です。

あまり器にご興味の無かったお若い方も、義捐金バザーということもあってか
「これ・・・ 使ってみようかしら・・・」と、迷いつつお求め下さったのですが
後ほど
「先生!先日頂いた黄色の向付皿、使ってみたらすごくステキだったんです!!
サラダでも、ちょっとしたおかずでもすごくおしゃれに見えちゃって、家族にも大好評でした!!!」
と、半ば興奮状態のご報告。 ^  ^

「でしょ!? それが器マジックなのよ〜
せっかくのお料理も、器によって生きもするし死にもするのよねっ ^  ^」

「ハイ。器の大切さがよくわかりました!
 私も器にハマりそうです〜」


そのほかの方々も「先生、先日の大皿、○○を盛ったらすごくステキでした!」 などなど
楽しいお話しを伺え、とても嬉しいです。

どの器がどなたのお宅に「お嫁入り」したのか、メモしてあるので
どのお皿のお話かすぐわかります。

なんですか、わが子がほめられたような気持ちになってしまうわたくしなのです。 ^ ^;


わたくしの選んだ器が皆様の食卓のお役に立ち、
そして、ささやかながらも赤十字を通じて送らせて頂いた義捐金が、
被災地の皆様の復興の一助となりますように。。。

お祈りしております。



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