宗明のつれづれ
これまでの「つれづれ」...



2011/3/12

☆ 東北太平洋沖地震 ☆

昨日、3月11日 午後2時46分・・・
三陸沖を震源にとした、国内観測史上最大のM8.8の
地震が発生しました。

大津波や火災で多数の死傷者が出ている模様で
現在も多くの方々が救助を求めています。

被災した東北地方の方々、そちらの方面にご親族をお持ちで
ご心痛の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。



関東もかなりの揺れがありましたが
皆様のお宅は大丈夫でしたか?

実は・・・
別名「皿屋敷」の宗明庵はそれはそれはタイヘンなことでした。 (T.T) 

丁度、金曜クラスのお稽古が終わり皆様がお帰りになってほどなくのこと、
カタカタ... カタカタカタ... と家具類が揺れ始め
いつものごとく、ほどなく止むかと思いきやすぐに大きな揺れとなり始めました。

奥の部屋で、翌日のレシピを印刷しようとしていたわたくし、
とっさに、なにをしたかと申しますと・・・

やおら教室のお食事スペースに舞い戻り、
着物姿のまま、果敢にも(?)一番大切な器が入っているキュリオを全身で支えたのです。

総ガラス張りのアンティークのキュリオには、
実用性には欠けるものの、大切な思い出がたくさん詰まった器たちを無防備に並べてありました。

脚の長いグラス類、不安定な形の壺、薄造りのデミタスカップなどなど
何もしなかったらキュリオごと倒れて全壊していたことと思います。

しかし、キュリオを支えながらわたくしが目にしたものは
他の食器戸棚の扉が振動でスルスルと開き、中から器が降るように落下していく有様でした。

ローボードの観音開きの扉も全開し、中から大切なカップがどんどん放り出されていきます。

あ!アンティークのブラウンローズのデミタスが割れていく・・・!!
その奥にはマイセンがあったはず、どうしよう、どうしよう・・・

あの扉を閉めたい! でもキュリオが危ない!!

植木鉢も倒れ、鉢カバーにしていた骨董の火鉢は粉砕、
キッチンでも、様々な調理器具やお鍋が床に落ちる音がしています。


結局、振動が止むまで、わたくしは次々に割れる器たちの悲鳴を
ひとり、聴くに任せていたのです。。。

揺れが収まっても、いつ、余震が襲うかもしれないと思うと決して安心はできず
キュリオの中の器は全て、お茶室に移しました。

お茶室の床の間も、唐銅の花入れが倒れ水がこぼれていましたが
大好きな手毬の香盒を避けて倒れてくれていたのは救いでした。

恐い物を見る思いで納戸の扉を開けると、その中は足の踏み場もない有様・・・

漆器類を収納していたラックが前傾して全て床に落ち、
折敷やテーブルマットのラックは、重すぎて?倒れこそしませんでしたが、
斜めに荷重がかかったのか脚が曲がっていました。


茫然自失、とは、あのような状況なのでしょうか、
どうにかしなくては、と思いながらも、体はいっこうに動きません。 (T.T)

しかし、ほどなく、チャイムが鳴って、
たまたま近隣にいた息子が駆けつけてくれました。
デートの途中だったらしく、かわいらしい彼女 (←初対面!!) も一緒で
二人で片づけを手伝ってくれたのです。

「まず着物、着替えてきたら? ゴミ袋ある? ほうきは?
捨てていい器と、直して使う器、分けてね。
また地震が来るかもしれないから、中の食器、全部お茶室に移すよ!」

何歳になっても子供のように思っていた息子ですが
なんとも頼もしく、後光が差して見えました。(笑)
彼女さんもとても気のつくお嬢さんで、また戻しやすいように、と
器を全てお盆に乗せて運び、ちゃーんと布巾をかけてくれてありました。

割れた器を片づけつつ、気づきましたのは
懐石料理の器やお茶道具には全く損壊がなかった、ということです。
落下して壊れたのは、湯呑やグラス、小鉢、カップ、ティーポットなどで
懐石のための器は全て無事でした。

焼物や強肴の鉢等を収納してあった戸棚の扉が、
開きにくい構造だったということもあるのでしょうが、本当に不思議です。

造りつけの戸棚の中におそろしく積み上げてあった向付の器たちも全て無事でした。
天井まである扉は観音開きですので、それが全開していたらと思うとゾッとしますが、
そういえば入居の際、工務店の方が「耐震ラッチ」の効用を力説して下さいましたっけ・・・。
振動が収まった今は、何事もなかったように開くのですが、
おそらく、あの揺れを感知して、その間はびくともせずに器たちを守ってくれていたのでしょう。

骨董の器はできるだけ低い場所に、と全て最下段に収納してありましたので全て無事でしたし
不幸中の幸い、と思わなくてはいけませんね・・・。

何よりも、生徒さんがお帰りになった後で、お怪我などなかったことが一番でした。
帰路を心配しておりましたが、事なきを得たようで、皆様ご無事を知らせて下さいました。
他の生徒さんにも、次々にご心配のお電話やメールを頂き感謝しております。

泊まりがけでしたが、どうにか教室を片づけ終わり 本日は、二名のみの生徒さんのご参加でしたが、
つつがなくお稽古もできました。

ご欠席の方々は、それぞれ、ガス会社、保険会社にご勤務の方、
昨日恵比寿から文京区のご自宅まで徒歩で帰られお疲れになってしまった方など
おいでになれないご事情もご無理のないことでした。

そしてなによりも、岩手がご実家、妹さんが仙台在住でいらして
どなたともご連絡がつかないとご心配になっておられたSさん・・・。
ご心痛、いかばかりかとお察しいたします。

一日も早く、お元気なお姿を確認できますよう、心よりお祈り申し上げております。



これまでの「つれづれ」...