宗明のつれづれ
これまでの「つれづれ」...



2010/2/23

☆ 特別講習会 ☆

今月は、四日間にわたり「特別講習会」を催しました。

かねてより、「懐石料理の頂き方の講習をしてください」というお声はありました。
お箸や椀の取り上げ方、お取り回しの方法、湯桶の扱い方などは常々お伝えしておりますが
それだけではあくまでも割り稽古に過ぎません。
懐石料理の一連の流れを是非体験して頂きたいというのはわたくし自身の願いでもあったのです。

しかし、お茶事の形式にのっとり、順次持ち出し式で、熱々のお料理をお出しするには
わたくしひとりではなかなか難しく、また、旧教室ではスペース上の問題もあり実現できずにおりました。

新教室に移り、広さの問題は解決がつきましたが、さて、水屋方をどなたにお願いしましょう・・・
と思っておりましたら、まさに「念ずれば通ず」!
ひょんなことから、茶道会館の山里にて30年ものキャリアを積まれた板前さんより
「私がお料理をお作りしましょうか?」とのありがたいお申し出を頂きました!!

生徒さんより「是非お願いします!!」との熱〜いお声を受けて、お話はとんとん拍子にまとまり・・・
初めてのイベントを試行する運びとなりました。

宗明庵には、茶道の先生方や熱心にお茶を学ばれている方が多数いらっしゃいますが、
茶道には特に関わりのない方々もおいでです。
どなたにも楽しんで頂けますよう、お料理は 立礼(りゅうれい) = 畳での正座ではなくお椅子のお席 で
召し上がって頂くように致しました。

どのようにお料理の流れが進行し、亭主と正客の間にどのようなやりとりがなされるのか、
そして、正式には四時間に及ぶ一連の茶事の中で、懐石料理はどのような位置づけとなるのか、
そういったことを体感して頂くのが、今回の講習会の主眼です。

また、今回はお料理をして頂いたり、お片付けのご心配もありませんので
どうぞお着物でご参集くださいとご案内いたしました。

多くの方が素敵な和装でお越しくださり、とても華やかなお席となりました。^  ^

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寄付きで汲出しをお召し上がり頂いた後にお席にお着き頂き・・・
初入りの挨拶等を経て
いよいよ折敷から、お料理をお出しし始めました。

「向付」はさより、赤貝等、五品の和え混ぜ。生姜酢がとてもさわやかでした。
そして「お汁」の実は、なめらかな胡麻豆腐です。

冷酒 → 飯器 → 汁替 を経て
茶懐石のメインディッシュとも言える「煮物椀」。
こちらは鴨の塩焼きの蕪みぞれ仕立。
針葱 + ピリリと辛みのきいた黒胡椒のお味が新鮮でした。

「焼物」はふっくらとした鰆の幽庵焼きです。
シンプルながら素材のお味が生きた美味なるお焼物でした。

続いて「強肴」 = 淀大根と子持ちやり烏賊、芹の炊き合わせ。
なんといっても、盛り付けた直後の熱々の鉢をお出しできましたので、
さぞ美味しく召し上がって頂けたことと思います。

飯器と酒器をお預けして、暫時締切・・・

衝立の向こうから「もう少し、お酒はいかがですか?」「おいしいわねぇ」などなど
和やかなご様子が伺われて、嬉しいひとときでした。
わたくしもお相伴させていただき、さあ再び、皆様のお席へ!

小吸物には春の息吹の香るふきのとうが・・・

八寸にはお手作りの唐墨をはさんだ海老と百合根茶巾が
美しく盛りつけられていました。

本当にお流れを人数分頂戴したら、どのようになってしまうかわかりませんので ^ ^;
わたくしのお酒は形だけ頂き、千鳥の杯のご説明をしつつ、皆様におつぎいたしました。

香の物と湯桶をお回しして折敷を下げさせて頂き、続いての主菓子は
長野の銘菓「何丸」をご用意したのですが、こちらがまた大変好評で嬉しい限りでした!!

中立ちの間、お茶席の掛物をお花に替え、お薄を召し上がって頂いて講習は終了です。

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この一連の流れを、わたくしは四日間、午前、午後、午前、午後 と繰り返しましたので
正直なお話、最終日はさすがに疲労気味。。。。。。

板前さんも同様で、「あと一日」「あと一回」「がんばりましょう」と励ましあいながらの四日間でした。^ ^;

それでも、その後、皆様から「大変お勉強になりました」「とてもおいしく、楽しいひと時でした」等々
メールやお電話、はたまたお筆書きの立派なご書状などを相次いで頂戴いたしまして
疲れなど、すっかり雲散霧消してしまいました!
本当に感謝です。

おいしいお料理をお作り頂いたK氏にもまた、心から御礼申し上げたいと思います。
何と申しましても、茶懐石専門の一流の板前さんなので、お料理の内容もさることながら
手順がまことに滑らかでした。
振りむけば次にお出しすべきものを、わたくしの取りやすい向きですっと手渡してくださる、
その絶妙なタイミングとお気遣いはまさに感嘆ものでした。

そして、各回にてお正客役を務めて下さったお茶の先生方もありがとうございました。
流れるような問答とお作法のおかげで、お相客の皆様にもお茶席の雰囲気を楽しんで頂けました。


また、皆様にこうして一座建立の喜びを味わって頂けますよう、頑張りたいと思います!!

どうぞお楽しみになさって下さいませ。 ^  ^ ^  ^ ^  ^



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