宗明のつれづれ
☆ 北欧デザイン紀行 ☆
お教室の1クラスをお休みし、夏休みを頂いて北欧に行ってまいりました。
まとまった時間がなかなかとれないため、短い期間で4国を駆け巡る
あわただしい旅でした。
美しい景色や街並みもさることながら、わたくしの主たる関心事は
北欧デザインのキッチン用品やファブリック・・・
スタイリッシュでいながら、どこか「和」の雰囲気と調和する北欧特有のセンスに
わたくしはずっと心惹かれ、憧れてきたのです。
特に、北欧のヴィンテージものの器たちは、釉薬の豊かな味わいや温かいフォルムが
漆器等を用いた和のおもてなしの場に見事に溶け込みます。
また、北欧製の照明器具には、まるで和紙や障子紙で作られているかのような材質感のものがあり、
例えばお茶室にほんわりと灯っていたとしても決して違和感がありません。
ある文献によると、1930年から1950年代に、多くの北欧の陶芸家や建築家が
日本を訪れたのだそうです。
日本文化に注目した北欧のアーティストたちは、著書の中で日本を紹介し、
また、自身の芸術に和のテイストを取り入れたということです。
空間的にはこんなに離れているのに、日本の文化と見事に溶け合う北欧の美意識。
その土壌を肌で感じてみたいという願いが、今回の旅の動機でした。
あわただしい旅程のなかで、素敵なアンティークショップの前を泣く泣く通り過ぎることも
多かったのですが、空港やホテル、街中に至るまで・・・
ここかしこに北欧特有の美意識があふれていました。
殊にコペンハーゲンやストックホルムでは、想像以上に機能的で美しいキッチン用品に
出会うことができました!!
北欧くんだりまで来て、おたまや木べら(あんこを量るのに最高!)、お台所のブラシなどを抱え
嬉々としているわたくしを、友人はあきれて笑っていましたが・・・
上等な革の手袋よりも、かわいいお花模様の「ゴム手袋」 ^ ^
ブランド品のバッグよりも、素敵なテキスタイルの「コットン・エコバッグ」 ^ ^
わたくしにとって、こんなに幸せなショッピングはないのです。
同時に、わたくしが以前から愛用しているお料理道具の多くが北欧製であったことにも気づき
今更ながら驚きました。
また、北欧はどこもかしこも美しいキャンドルにあふれておりました。
聞くところによると、フィンランドのキャンドル消費量は世界一だそうです。
キャンドルを灯すのは、冬の長い長い夜を楽しむための日常的な文化とのこと・・・
実はわたくしも以前からキャンドルが大好きで、おもてなしの場には必ず
テーブルフラワーのようにキャンドルを灯し、お客様をお迎えしています。
キャンドルの 炎のゆらぎに、いつもいつも心癒されているのです。
どうやら、わたくしの生活は意識せずして北欧の感性に共鳴していたのですね!
わたくしの前世は、もしかしたら北欧にまつわるナニモノかだったのでしょうか?
・・・ えっと、ヒトとは限らないので、フィンランドのトナカイとか?
・・・ あるいはスウェーデンの港町のカモメ?
・・・はたまた、ノルウェーの山間部を駆ける牧羊犬???
などと うとうと想像しつつ、飛行機で9時間半・・・
暑〜い暑〜い、梅雨明けの日本に帰って参りました。
ただいまぁ!!
さぁ、8月のお稽古は「朝茶の懐石」です。